日本で結婚する場合は、基本的に成人でしたら、たとえ親の反対があっても婚姻届を役所に提出することで、結婚が成立します。
ですから、単に相手を「好きだから」と、いった理由でも結婚することができます。
しかし、結婚は互いに「責任を負う」行為でもあります。
つまり、夫婦といっても、他人同士が一緒になって共同生活を送るので、全てが自分の思い通りに相手が動いてくれるとは限りません。
夫婦生活は、互いに敬意を持って、少々の問題も忍耐強く我慢することが円満の秘訣ですが、やはり人間には限度があります。
好きだから結婚したものの、結婚後に相手の嫌なところをみる度に幻滅し、愛情が無くなって、離婚を考えるカップルも少なくありません。
アメリカは日本より弁護士の数が多く離婚裁判が世間一般に広く溶け込んでおり、それを回避したい資産家同士が結婚する場合は、離婚を前提に婚姻契約を結ぶケースが多くありますが、日本人は世間体を考えるあまり、日本では殆どありません。
しかし昨今の権利意識の高まりから今後は日本でも愛情面や経済面について、夫婦生活を互いに気持ちよく継続させていく為に、結婚前に「夫婦間のルール」を作成することも、必要になってくるでしょう。
恋愛期間中はたとえ相手を嫌いになって未練はあっても、長期間の交際期間を除いて別れることは、それ程難しくありません。
また、交際期間中にそれぞれの考え方や価値観が違ったり、性癖が合わなかったりしたら別れることも選択の一つです。
しかし、一旦結婚すると考え方や価値観が違っただけの理由では、協議離婚では離婚は可能ですが、相手が納得しないと容易に離婚はできません。
ですから、結婚前に二人で話し合った上で、今後の夫婦関係についての約束事(結婚契約書)を決めておくことで、結婚後の不履行時に提示することで離婚の際もスムーズに話が進むことができます。
要するの結婚前に「夫婦間のルール」を決めておくことで夫婦間に将来起こりうる事項について、事前に取り決めておくことが結婚契約書です。
もちろん、結婚契約書は必ず作成する必要はなく、あくまでカップルの自由ですが、このような契約書があると、いざというときの話もスムーズに進むので、場合によっては作成しておいた方が良いケースも多々あります。
これから結婚するカップルがなぜ結婚契約書が必要なのか疑問を抱く人もいると思いますが、いくら愛し合って夫婦になっても、出会うまでは互いに違う人生を歩んできた他人ですから、価値観などは違うものです。
また、いくら気が合う相手であっても、付き合っていたときには感じなかったことが、結婚すると一気に価値観や人生観の違いを感じることがあります。
付き合っていた頃は、好きなタイミングで互いの時間を共有してきましたが、いざ結婚となると一年365日一緒の生活になり、たとえ物理的に離れていても常に夫婦であることには変わりません。
そうなると、相手の嫌な部分や本心が見えてくるかもしれませんし、相手の行動に腹を立てるようになるかもしれません。
喧嘩することは簡単ですが、結婚前にルールを作っておくことで、ぶつかりあうことも少なくなります。
例えば、自分の趣味の時間を絶対に邪魔されたくなければ、あらかじめそのことを契約書に書いておけば良いのです。
婚前契約書を作成している夫婦の中には離婚時のルールに関しても、あらかじめ決めているケースがあります。
例えば、どのような行為を行ったら離婚するか、離婚が決まった場合の財産分与なども決めています。
何を記載するかは、夫婦が自由に決めれば良いです。
結婚前に「結婚契約書」を作成することは、結婚が決まって楽しい気分に浸っているカップルには、なかなか相手に言いにくいことですが、結婚前に「夫婦間のルール」を作りたいと言えば、理解してくれる可能性は高いです。
例えば、「家計のこと」、「仕事のこと」「居住先のこと」、「互いの親族との関係のこと」、「将来の子どもの誕生や教育のこと」などは、今後二人で生活を送る上では避けて通れないことです。
そのような事項を事前に書面で決めておくことで、将来直面したら話し合いもスムーズになります。
これらは、将来設計になりますし、必ずしも遵守するのではなく努力義務レベルで作成するカップルも多いです。
日本はアメリカのような契約社会でないので、何でもかんでも契約書を作る必要がありません。
しかし、あれだけ好きだったのに、婚姻期間の経過と共に愛情が薄れてくることもありますし、配偶者の浮気で100年の恋も冷めることもあります。
そうなったときに悩まずに、前を向いて新たな道を歩む為に必要なのが婚姻契約書です。
では、どのような人がこの契約書を作成すれば良いでしょうか?
① 資産がある人
結婚前から資産がある人は、離婚時は婚姻前の財産は財産分与にカウントされませんが、医師や会社経営者などは高額な収入を得られる人は、結婚後の資産を蓄えることが容易です。
この場合、結婚後に蓄えられる資産について取り決めをしておかないと、財産分与が高額になる可能性があります。
② 自営業の人
① と同様に、結婚後に形成した資産は折半になりますから、離婚時に会社やお店の資産を持って行かれると経営が成り立たなくなる可能性があります。
そうならない為にも、事前に資産に関する事項を取り決めておくことが必要です。
③ お金にルーズな人
結婚前からお金にルーズな人は、結婚しても変わりません。
交際中でしたら保証人にならない限り、別れればそれで終わりですが、結婚した以上、生活に関する借金は夫婦の共同責任になります。
ルーズなことを知って結婚するなら、結婚後に起こり得る事柄について取り決めしておく必要があります。
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