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どうやって作成するか?

 

被相続人(遺産をあげる人)が亡くなると、その人が所有していた財産を相続人(相続財産をもらう人)間で、分け合うことになります。

 被相続人が遺言書を残して亡くなると、その遺言内容に則って相続財産を分割します。

 

しかし遺言書を作成せずに亡くなると共同相続人(相続できる人)全員で遺産分割の話し合いをしなければなりません。

話し合い(遺産分割の協議)がまとまったら、その内容を実現する為に遺産分割協議書を作成して相続人全員が承諾したという「証し」として各自署名・押印します。

 

その際には実印を押印し、住所も印鑑証明に記載されている住所を記入します。

 

 不動産の相続登記や銀行預金の名義変更や口座の解約手続などに印鑑証明書が必要になりますので、遺産分割協議書に署名・捺印をもらう時に、印鑑証明書も一緒にもらっておいたら後の手続もスムーズにいきます。

 

また、相続税を申告する人は、この協議書が配偶者の税額軽減の特例を受ける為の添付書類になります。

  

 遺産分割協議書作成のポイントは ?

  

遺産分割協議書は何か難しそうですが、とくに決まった書式はありません。

 パソコンでも手書きでもかまいません。

 しかし、2点チェックする必要があります。

 

 1.協議書は誰がどの財産を取得するか明確に書くこと。

 誰がどの財産を取得するか第3者が見ても分かるように特定します。

たとえば、不動産は住所表示ではなく登記簿のとおりの住所に記載する必要があります。

銀行預金も銀行支店名、口座番号を正確に書きましょう。

  

2.相続人全員が署名し実印を押します。

同居している相続人同士では一方の相続人がまとめて他の相続人の署名・押印するとその協議書は無効になります。

 遺産分割協議書は親子・兄弟姉妹間といえども厳格な手続が必要ですから、慎重に行わなければなりません。また、署名・捺印時に印鑑証明書も提出してもらうと良いでしょう。

 

 そして、トラブル防止の為、相続人の間で取り決めた債務の分割方法や代償分割がある場合の代償金額や支払条件なども記載しておくと良いでしょう。 

 

 では遺産分割協議がまとまらない場合はどうするのでしょうか?

 

相続人全員が近くに住んでいたり、親・兄弟の仲が良い場合は分割協議もスムーズに進むことが多いですが、遠くに住んでいたり、兄弟姉妹間も疎遠になっていたりすると、なかなか協議が進みませんし、これまでの関係から協議事態を拒否する相続人もいます。

 このように収拾がつかなくなると、家庭裁判所の調停を利用する必要があります。

 調停は相続人のうちのひとり、または数人が他の相続人を相手方として申し立てます。

 調停が開始されると調停委員会の審判官ひとりと民間から選ばれた2人の調停委員の立会いのもと、当事者の話し合いを基本に解決を目指します。

 調停委員会は当事者双方から事情を聴き、解決策を提示したりアドバイスを行いますが、強制的に分割方法を指示しません。

 

話し合いがまとまると、合意内容を記載した「調停証書」が作成されます。

 この調停証書は確定した審判と同じ効力があり、これに基づいて遺産分割が行われます。

 

 では、調停不成立の場合は?

 

調停が不調に終わったときは、自動的に「審判」の手続が開始されます。 

 審判官が財産の種類や性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態や生活状況など一切の事情を考慮して分割方法を決め、審判します。

 しかし、この審判に不服がある場合は2週間以内に即時抗告の申し立てを行うことができます。

遺産分割協議書作成の注意点

 

相続財産が殆どない場合や、兄弟姉妹の仲が良く今後も相続財産の取り分で喧嘩しない可能性が高い場合は、必ずしも遺産分割協議書を作成する必要がないかもしれませんが、そのようなケースはまれです。

  

たとえ相続財産が数百万でも相続人間(共同相続人といいます)で分けるとなると、それ相当の額にはなります。

  

遺産分割協議書を作成しないで大雑把に分けたため、後日各自の取り分で揉めるケースもあります。

  

そうならないためにも、相続が開始したら共同相続人で遺産分割協議を行い、内容が確定したら後で協議内容で問題が出ないよう、遺産分割協議書作成しておきましょう。

  

但し、前述のとおり、遺産分割協議書は必ず作成する必要は無く、共同相続人で後日もめるおそれがなければ作成しなくてもかまいませんが、下記のような場合には必要になります。

  

)不動産を遺産分割によって所有権の移転をする場合

所有権移転登記の申請の際に遺産分割協議書が必要となります。

 

 2)銀行から被相続人の口座を解約する場合

相続が開始すると銀行等の金融機関は相続人同士のトラブル防止などのため、被相続人の預金口座を凍結し引き出せなくなります。

 

この銀行預金等を遺産分割協議で相続人のうちの誰かが取得して解約や名義変更する場合、銀行から遺産分割協議書の提出を要求されます。

 

 3)小規模宅地等の特例を受ける場合

被相続人の財産で居住や事業に使われていた住宅は相続人が引き続きそこで暮らしたり、事業を行う場合、小規模宅地等の特例を受けることができますが、遺産分割協議書が必要になります。

  

また、遺産分割協議書を作成するには、共同相続人の権利関係を調査するため被相続人の生まれてから死亡までのつながった戸籍謄本や改正原戸籍などが必要です。

 

 遺産分割協議書には書式や形式などに決まりはありません。

  

但し、分割協議は共同相続人全員の合意がなければ成立せず、相続人の一部を除外してなされた分割協議は無効になります。
 

  

遺産分割書の記載事項とは?

 

① 縦書でも横書でも、どちらでも良いです

 
② 用紙の大きさは自由ですが、一般的にA4またはB4サイズが多いです

  

③ 筆記具はボールペンでも筆でもパソコンで書いても良いですが、鉛筆はダメです

  

④ 共同相続人の合意があれば自由に作成してかまいませんが、誰が、どの財産を、どれだけ取得するか明確に決める必要があります。

  

⑤ 相続財産に不動産がある場合は、登記簿謄本の住所や表示を正確に記載します

 

 ⑧ 共同相続人全員が署名し、印鑑証明の実印を押します

 

 ⑦ 相続人の数だけ遺産分割協議書を作成します(不動産登記には登記する本人分だけで良いです)

   

⑧ 収入印紙は貼付する必要はありません

 

 

 注意事項

 相続人の中に未成年者がいる場合は注意が必要です。

 たとえば、夫が死亡して、妻(子供の母親)と未成年者の子供が相続する場合は、母親は子供の代理人となることはできないので、家庭裁判所で子供のための特別代理人を選任し、その代理人が遺産分割協議に参加することになります。(但し、例外があります。)

 また、相続人が、分割協議の署名に一堂が揃うことが出来ない場合や、相続人がそれぞれ遠隔地(遠い場所に居住している)いる場合は、郵便で遺産分割教書を送付して回って各自の署名捺印をそろえればOKです。  

遺産分割協議書の例

 

遺産分割協議が終了し、各自の相続分が確定したら、それを証する為、遺産分割協議書を作成します。

 

この遺産分割協議書には特定の書式はありませんが、協議書には「誰」が「何を相続」するか具体的に明記しなければなりません。

 

下記に遺産分割協議書のサンプルを作りましたので、ご参考にして下さい。

 

  

                遺産分割協議書

 

 平成○○年○月○○日 山田太郎(大阪府堺市○区○町○丁○号)の死亡により開始した相続につき、共同相続人である山田花子と山田一夫は次のとおり遺産分割の協議をした。

  

一.相続人山田花子は次の不動産を取得する。

 

 1. 所在  大阪府堺市○区○町○丁目


   地番  ○番○

   地目  宅地
   地積  ○○.○○平方メートル

 

 2.所在  ○区○町○丁目○番地○

 

   家屋番号  ○番○
   構造  木造瓦葺2階建
   床面積  1階 ○○.○○平方メートル
        2階 ○○.○○平方メートル

 

二 相続人山田一夫は次の預金を取得する。

 

 1.○○銀行○○支店の被相続人名義の預金


    普通預金  金○○○円


 2.○○銀行○○支店の被相続人名義の預金

    定期預金  金○○○円

 


 上記のとおり協議が成立したので、その成立を証するため本書2通を作成し、署名、押印の上それぞれ1通を所持する。

 


                 平成○○年○○月○○日

 


大阪府堺市○区○町○丁○番○号


  相続人 山田花子 印

 


大阪府堺市○区○○町○○丁目○○番○○


  相続人 山田一夫 印

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